最近の傾向

ガーリーを着るには身の大きさが余るような

20207月11日

 目が覚めてしまって仕方なくこれを書いている、パソコンを開いて文字を打てるということは、少なくとも私の体調が最悪ではないことを示しているのだろうが、それでも具合が悪いことには違いなかった。朦朧とするし、細かい作業が大してできない。今これを書いているのだって、鼻炎の薬の助けを借りてそうしている。本来人間はそんなことをするべきではないという意見もあるだろう。これは(実際に私に多少なりともアレルギー性鼻炎の症状が多くの日においてあるにせよ)ほぼ薬物乱用だし、碌な結末を招かないことは想像がつく、だがコンサータなどが処方されない以上、頼れる薬物に頼るしかない……でなければ部屋はどこまでも乱雑になり、ものを書くことも当然おぼつかなくなり、きわめて散らかった部屋で呆然と立ち尽くしているだけになる。

 私は上海アリス幻樂団の蓬莱人形というアルバムを聴きながらこれを書いている。いまは多分、東方怪奇談みたいな題名の曲が再生されているはずだ。ここ4日くらい、ずっと、3時くらいに目が覚める。何時に眠ろうと、午前3時くらいに目が覚めている気がする、もっとも、午後3時は15時と表記するであろうから、特に問題がないわけだが(何が?)。そう、「午前」と特記する必要がない。私は此れを一階で書いているが、これは住居に居住可能な2階以上があることのほのめかしか叙述トリック(一階しかなかった)になりうるし、そういうことだ。これを書いている住宅には、居住スペースは一階のみとなる。

 体調が悪い話だった。こんな気候で体調がよい人間なんて頑健すぎて気味が悪いし、頑健な人間はきっと純度の低い鉄器のようにかたくてもろいのだろうから、うどの大木のように図体ばかりでかくて、筋力も代謝も人一倍なのに、37度台の微熱でダウンして寝込んだりしそうなものだ。私の平熱は36度台後半だと思っている。今日体重計に乗ったら、無駄に代謝がよいらしかった。156㎝も身長がある。下手をしたら157㎝くらいあるかもしれない。本当に、図体ばかり徒に大きくなって、なんになろうというのか。おかげで服が2,3着着られなくなった。ワンピースは下にスカートかズボンをはかないともう着られないだろうし、袖が寸足らずだ。だから服を買うときは、できるだけ男物を買う。できるだけ男門を買うということは私が男性ではない、少なくとも男性の体を持たないことを示唆している。

 私は確かに、ある面では、男性の体を持たないことに救われているのやもしれぬ。なぜなら、一般的に女性の方が体が小さいので、不都合にも好都合にも女性の体を持っている私(気味が悪いな、女性の体を持っているだなんて……私は女で身体的にはあるわけだがゆえに女の体をもしくは、女の体を持つことを憎んでもいる)は、「オーバーサイズに服を着る」ことを、男性の衣服を着ることで容易になしうるからだ。もし同様の現象が私が男性だった際に起きようものなら……想像するのもおぞましい。私はnile perch とか、Ank Rouge とかの、ガーリーな服が好きなのだが、もうサイズが合わなくなってしまい、また髪色や顔面の雰囲気も手伝って、男性向けの衣服を大きく着て、中性的な印象の服装をするしかなさそうで、それはそれで悪くないが、悲しくないといえばうそになる。